クリスマス

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「翔ちゃん、はい!」 私は、翔ちゃんが予約をしてくれたレストランでプレゼントを渡す。 「ありがとう、紗良(さら)。  じゃあ、俺からも」 翔ちゃんからのプレゼントは、細長い箱。 「開けてみていい?」 私は翔ちゃんからの初めてのプレゼントが嬉しくて、すぐにも開けたい気分。 「もちろん。俺も開けてみていい?」 「うん」 私たちは、同時にプレゼントを開封する。 「ぅわぁ! すっごく綺麗」 翔ちゃんがくれたのは、ネックレス。 すごく神秘的な青白い光を放つそれは、私の誕生石のムーンストーン。それも、特に大好きなブルームーンストーンだ。 「つけてみていい?」 「あ、じゃあ、俺が」 翔ちゃんは、私のあげたマフラーを椅子の上に置くと、私の首にネックレスをつけてくれた。 「ありがとう」 「それなら、仕事中も制服の下に  付けられるかな…と思って」 と優しく微笑む翔ちゃんは、やっぱり私の理想の彼氏だ。  その後、ワインを飲んだ私たちは、タクシーで翔ちゃんの家へと向かう。 サンタさんは来なかったけれど、2人で仲良くクリスマスの夜を過ごせたんだから、幸せに違いない。 ………はずだった。 なのに… 私たちは、毎週のようにデートを重ねる。 行き先はその都度違うけれど、毎回、翔ちゃんは私を思いやってデートコースを決めてくれるから、楽しくないわけがない。 だけど…… 私が気になるのは、翔ちゃんの服装。 私は、翔ちゃんにもらったネックレスが嬉しくて、仕事中も休みの日も毎日してるのに、翔ちゃんは一度もマフラーをしてくれたことがない。 あんまり上手にできなかったから、恥ずかしいのかな。 そんな風に思って、友達に相談したら、とんでもないことを言われた。 「男の人ってさ、手編みは重いから嫌い  って人いるよ」 そんなの、考えてもみなかった。 男の人って、手作りならなんでも喜んでくれるんだと思ってた。 そっか…… 手編みって、重いのか… 残念。
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