ホワイトデー《翔太郎目線》

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 3月14日。 定時で上がった俺は、紗良を会社まで迎えに行き、俺の家に連れて帰る。 「紗良、愛してる。  これ、受け取って」 俺は、少々不格好ではあるけれど、一生懸命作ったクッキーを100円ショップで買った箱に詰めて渡した。 紗良は、驚いて目を丸くする。 そして、思わぬことを口にした。 「手作り、嫌いなんじゃないの?」 「え?」 「手作りされるのって重いんでしょ?」 「は!?」 意味が分からない。 「ごめんね。手作りが嫌いな人もいるって  知らずに、手編みのマフラーなんか  渡しちゃって。  でも、もうしないから大丈夫。  翔ちゃんも、もうこんなことしなくても  ちゃんと分かってるから大丈夫だよ」 紗良は笑顔で答える。 俺がマフラーをしないせいで、とんでもない誤解をさせてたなんて…
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