冬のかき氷

1/1

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
あれは師走の中頃の 雪のように淡い思い出 酒も入れずに 他愛も無い話を 面と向かって言い合っていた 気づけば夜も深くなってて 知らぬ間に俺は寝ていた 気づけば肩を揺すられていて 朝の光が眩しくて 手を伸ばせば届く距離に君がいて 微睡みのなかに幸せがあって 眠い目を擦りながら 朝靄の中見送って 先刻の幸せを反芻しつつ 眠気に誘われ再び夢の中へ 寒い朝の甘い記憶は 季節外れのかき氷のように時間が経てば溶けてゆくのだろう 七月の日差しが肌を虐める昼下がりに 食べたくなった 冬のかき氷
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加