3.猫とトライアングル

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(一色君、どこにいるんだろう?)  きょろきょろと食堂内を見回していると、 「おーい、弥生さん!こっちこっち」 一色君が窓際の4人掛けのテーブル席で手を振っているのを見つけた。その向かい側に、セミロングの髪を綺麗に巻いた女子学生が座っている。 (一色君の友達?) ふたりの間に割り込んでもいいものなのだろうか、と心配になりながらテーブルへ向かうと、 「どうぞ」 一色君は気にした様子もなく、自分の隣の椅子を引いた。けれど、なんとなく彼の隣に座るのは気が引けて、女子学生の隣の椅子を引いて腰を下ろす。 「あの……すみません、失礼します……」  会釈をして遠慮がちにそう言うと、 「こんにちは」 彼女は京都弁のイントネーションで挨拶をし、にこっと笑って、私と同じように頭を下げた。
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