3.猫とトライアングル

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 柏木さんに教えてもらいながら、おすすめだというアプリをダウンロードする。設定の仕方を教えてもらいながら、 「あの……名前はどうしたらいいんでしょう?本名はちょっと…………」 と口ごもると、 「もちろん本名でなくていいのです。あなたは作家として投稿していくのだから、あなたのブランド名――屋号を名前にしてください」 柏木さんは安心させるように説明をした。 「屋号、ですか。『フォレストマーケット』に出店する時に登録している名前は、『もふもふ日和』っていう名前なんですけど……ちょとダサいですか?」  おずおずと問い掛けると、 「いえ、良いと思います。横文字の屋号にしている作家さんも多いですが、格好はいいのですが、下手をするとお客さんが読み方が分からない時もありますし、イベントの出店カタログに載った時、横文字の屋号が多くて、目立たないのです。日本語にした方が、目に留まりやすくなりますし、覚えてもらいやすく、親しみも持ってもらえます」 柏木さんに太鼓判を押され、 「なるほど」 と頷いた。あまり深く考えずにつけた屋号だったが、正解だったらしい。
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