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高校1年の1学期で、すっかり学内で浮いてしまった私は、その後、仲の良かった友達も離れて行き、もちろん新しい友達も出来ず、殻に閉じこもりがちの3年間を過ごした。
その間、小学校から引き取った灰色のミニウサギの他に、住宅地のゴミ捨て場に捨てられていたアルビノのネザーランドドワーフと黒のネザーランドドワーフを拾い、飼いうさぎは3羽になった。
私は結局、東京の大学には進学せず、北斗と花と雪を連れて、逃げるように京都の大学に進学した。
大学生になってからも、高校時代のトラウマで、人との付き合いはうまく出来ないままだった。
ほとんど人とは喋らず、ただ、講義に出て、家に帰るだけの毎日。
そんな日々が続いていた、ある日のこと。
6月の蒸し暑く寝苦しい夜。私は、マンションの窓を開けて眠っていた。今から思うと、とても不用心だったと思う。
夜中に、私は急に目を覚ました。金縛りのように体が動かなくなり、突然口を塞がれたからだった。
「……!」
飛び起きようとしたら、両手を押さえつけられた。見知らぬ男が、私の体の上にのしかかっていた。
「――ンーッ!」
悲鳴を上げようとしても、手で口を塞がれているので声が出ない。
私のパジャマの下に、男の手が差し入れられてくる。
(誰か助けて!)
心の中で叫んだ時――。
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