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百貨店から出て、四条河原町の横断歩道を渡り、まずは、すぐ近くの海外ブランドの路面店に向かう。モダンなショーウィンドウを横目に店内に入ると、香水の匂いが漂っていて、いかにも海外らしい雰囲気を感じた。ハンガーに掛けられている服はカラフルなものが多い。
(こんなお店があるの、知らなかった。初めて入ったけど、派手な服が多いなぁ……)
私が自分の場違い感に怯んでいるのにお構いなく、つかさちゃんはずいずいと店の奥へ入っていく。
「美咲さん、これとかどうですかぁ?」
目にも鮮やかな黄色のタイトスカートを手に取り、
「すっごく可愛くないですかぁ?」
と差し出したので、私は慌てて、
「いや、ちょっと、派手すぎでは……」
と手を振った。
「え~?こんなの普通ですよぉ。ほら、似合いますよ~」
つかさちゃんは、動揺している私に構わず、私の体にスカートを当てると、鏡を指差した。
(うーん、似合っていない……よね)
せっかくつかさちゃんが勧めてくれたが、
「出来ればもうちょっと落ち着いた色を……」
私はそっとスカートを押し返した。つかさちゃんは唇を尖らせて、
「絶対似合うのにぃ」
不満そうにしながらも、スカートをハンガーに戻す。
その後も、つかさちゃんにあれこれと服を勧められ、これならまだ着る勇気が持てると思えた服を2着程試着してみたが、あまりピンと来ず、私たちは何も買わずに店を出た。
「次は別のお店に行ってみましょ~!」
つかさちゃんの案内で、若者向けのファッションビルに入る。ここでもつかさちゃんはあれこれと勧めてくれたが、やはり派手な服ばかりだったので、私は苦笑いをしながら断った。
「もぉ、美咲さん!イメチェンする気あるんですか!?」
私があまりにもつかさちゃんの勧めを断るので、彼女はついに怒り出してしまった。
「こうなったら、絶対美咲さんに服を買わせてみせる……!」
どうやら、彼女の闘志に火を点けてしまったらしい。
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