5.踊る指先

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「つかさちゃん、今日はありがとう」  大きな紙袋を肩から下げて三条会商店街のアーケードを歩きながら、私はつかさちゃんにお礼を言った。 「どういたしまして。どの服も、美咲さんに似合ってましたよ~」  つかさちゃんは、楽しそうに、ふふっと笑った。 「つかさちゃんって、服にも詳しいし、おしゃれだし、本当に女の子っぽいね」  お店で「こうしたらもっと服が素敵に見える」と、あれこれと着こなし方を教えてくれた彼女に、私はすっかり感心していた。私の感嘆の言葉を受けて、つかさちゃんはきょとんとした顔をすると、 「美咲さんから見て、あたしってそう見えるんですか?」 と小首を傾げた。 「うん、そうだよ。服も髪も可愛いし、とっても女の子らしいと思う」  重ねて言うと、つかさちゃんは、 「へえ……」 とつぶやき、どこか蠱惑的な笑みを浮かべた。 「そう見えるのなら、この路線で、成功しているってことなのかな」  小さな声でつぶやかれた言葉を耳に留め、 「成功って?」 首を傾げると、つかさちゃんは、ぱっと表情を変え、 「何でもないですぅ」 口元に指を添え、いつもの明るい笑顔を浮かべた。 (……?)
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