進路を決めた理由〜あの人の背中〜

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安房鴨川駅発千葉駅行きの内房線の電車の中 由紀乃の健太は四人掛けのボックス席に座っていた。 暫くして内房線の電車が定刻通り発車した。 由紀乃は笑顔で 『健太さん、明日のタイピングは次のページをやってみましょうか。』 健太は 『次のページを挑戦するとして………なぁ由紀乃~、1日10分は短くないか?』 由紀乃は悲しそうな表情で 『これも健太さんの左手の為です。私を守っての怪我、これでまた左手が悪化したら私は悲しいです。』 健太は慌てて 『わかった、俺は由紀乃の指示通りやるから。暫くはタイピング10分でいく。』 由紀乃は申し訳なさそうに 『私が見てて大丈夫そうなら時間を少しずつ増やしていきますから。』 健太は笑って 『わかった、すべて由紀乃に任せるよ。』 由紀乃は 『ごめんね………』 健太は 『何で謝るのさ?』 由紀乃は 『私が原因で怪我をして、半年近く経っててまだ完全に完治してなくて………』 健太は慌てて由紀乃の真横に座り 『何度も言うけど、これは由紀乃のせいじゃないからね。由紀乃は気にする事ないからね。少し腕を組もうか?』 由紀乃は頷き二人は腕を組んだまま由紀乃の地元の千歳駅までお互い無言だった。
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