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千倉町、上杉家の二階にある由紀乃の部屋。
上杉は部屋を暗くして窓の外の夜空を眺めていた。
はぁ〜………信じて良いのかな。何でこんな私なんかの為に………
上杉はタンスの上にある写真縦の写真を手に取り
沙織ちゃん、やっぱり私怖いです………
沙織ちゃん………
写真縦を暫く眺めた。
ガラ………
ふすまが開き
『入るよ。部屋を暗くしてどうしたの?そろそろお風呂に入っちゃいな。』
『お母さん………』
由紀乃の母親は部屋の電気を点けてその場に座った。手には2つプリンを持っていた。
『お母さん、どうしたの?』
由紀乃は不思議そうに聞いた。母親はにっこり笑って娘の由紀乃にプリンを渡し
『たまには2人だけで話しをしようかと思ってさ。』
由紀乃は母親からプリンを貰って、母親の対面に座りプリンを食べ始めた。
『ねぇ、最近何かあった?』
母親は笑顔で由紀乃に聞いた。
『何も………何もないよ………』
由紀乃は顔を赤らめて母親に答えたが、母親は由紀乃の表情を見て笑ってしまい
『フフ………わかりやすい娘だね。今日、お弁当作るって言って家族のお弁当の他にもう1つ作って持っていったよね。』
母親の言葉に余計顔を赤くし
『そ、それは………』
母親は娘の表情を見てまたも笑ってしまい
『別に良いのよ。その当時お母さんだって好きな男の人にお弁当を作って持って行った事あるんだから。恥ずかしがる事なんてないよ。』
由紀乃は母親の話しに興味を持ったのか
『後でおばあちゃんに何か聞かれたの?』
母親は笑ってしまい
『お母さんが由紀乃ぐらいの年齢の時、お母さんは料理が苦手でね。お弁当を作ってる最中に横から色々と口を出してきてね。炒め過ぎだとか、そんな切り方じゃ駄目とか色々言われてさ………懐かしい話しよ。』
由紀乃は母親の話しに興味を持ったのか
『お弁当を渡した相手は食べてくれたの?その前にお母さんは相手にお弁当を渡せたの?』
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