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千歳駅を出ると正面に酒屋があり、その正面の酒屋まで行かず、左の路地を曲がるとすぐに踏切があり、踏切を渡ると田んぼと山と民家の田園風景が一望出来た。暫く田んぼ道を歩くと正面に庭の広い民家に到着した。
『健太さん、ここが私の自宅です。』
ついに自宅に到着しちゃったよ〜、もうどうにでもなれ、矢でも鉄砲でも持って来いってんだ………
健太の中で覚悟は決まった。
上杉家の自宅は二階建ての屋根瓦が黒い家だった。庭の端っこには駐車場があり、車が3台駐車できるスペースがあった。玄関は横に開ける玄関で庭から一段上がってからの玄関だった。
健太は庭を眺め
『庭が広いな〜、車が3台止められるスペースもあるし凄いな。』
由紀乃は玄関を開けて笑顔で健太に
『どうぞ、上がって下さい。』
『お邪魔します………』
由紀乃が靴を脱ぎ家に上がり健太も由紀乃に続いた。
玄関先は昔の日本の玄関と言う感じの玄関で、下駄箱の上には北海道の土産、ヒグマがシャケを加えてる置物と二ポポ人形が飾ってあった。
健太はその置き物を見て由紀乃は笑って
『北海道のお土産見たいですよ。魔除らしいですよ。私の部屋は2階です。』
健太は由紀乃に案内されるがまま2階に上がって由紀乃の部屋に入った。
ヤバいヤバいヤバいッッッ………ついについに女性の部屋に入っちゃった………
部屋に入り部屋の中を眺めるとアイドルのポスターが貼ってあり、勉強する机と椅子があって床は畳の部屋だった。それとタンスが置いてありタンスの上には可愛いぬいぐるみが乗せてあった。
『ど、どうぞ………座って下さい。』
健太は由紀乃の対面に座り、由紀乃は座布団を用意して健太に渡した。
『あ、ありがとう………』
『あ、あの………どうしたんですか?』
実はこの時、由紀乃と健太の緊張は最高潮に達していた。
『いや、な、何でもないよ。うん、何でもない………』
『………そ、それなら良かったです………』
どうしましょ、せっかく健太さんが来てくれたのに緊張しちゃって何も話せません。
『………………』
せっかく由紀乃が家に誘ってくれたのに、緊張しちゃって何も話せない。マジヤバい………
『………………』
『きょ、今日は天気が良くて………よ、良かったですね………』
『そ、そうだね………』
『………………』
『お、女の子らしい部屋だね………』
『あ、ありがとうございます………』
『………………』
健太と由紀乃はお互いに対面に座り、お互いに顔を真っ赤にしてうつむき、お互いに緊張をしていた。
『あ、あの………健太さん、緊張してますか?』
『ゆ、由紀乃こそ………き、緊張してるよね………』
『………………』
『………………』
『そうだ………ちょっと待ってて下さい。』
ガラ………トントントン………
由紀乃はいきなり立ち上がり1階に下りて行った。
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