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『わかった、もう1本だけだよ。』
ゴクゴクゴク………
健太は缶ビールを一気に飲み干し由紀乃の前に缶ビールの空缶を置いた。
『飲んだよ。約束通りこれで終わりな。』
由紀乃はいきなり立ち上がりフラフラなりながら
『ヒック、私は飲みたいのでもう少し持ってきます………』
健太は慌てて立ち上がり由紀乃の手首を掴み
『これ以上駄目だよ。それにそんなフラフラな状態で階段を降りたら危ないって………』
『ヒック………良いじゃないですか、私は飲みたいんです………』
由紀乃は手首を掴まれた状態で、健太の手から離して貰って1階に行こうとしたが、男の力には勝てずにその瞬間バランスを崩した。
『危ないッッッ………』
健太はバランスを崩した由紀乃の身体を押さえ左手を由紀乃の首の後ろを、右手を由紀乃の背中辺りを押さえた。
あれ?この体勢って由紀乃の顔がモロに見えちゃってる………由紀乃って改めて近くで見ると可愛いな………
健太と由紀乃のお互いの目と目が合うと、その瞬間、由紀乃が目を閉じた。
えっ、これって………由紀乃これはマズいよ。俺達は高校生、まだ早いよ………しかも酔っ払った勢いでなんて大胆過ぎるって………
こんな時どうすればいいんだ………?酔っ払った勢いとはいえ、ここで断ったら勇気を出して目を閉じた由紀乃に悪いよな………それに場がシラけるだろうし、最悪は俺との付き合い方を変えられちゃうかもしれない………
由紀乃、わかったよ。由紀乃の勇気を無駄にするわけいかないよな………って、ヤバい緊張して身体が動かない………
健太の心臓の鼓動が由紀乃にもわかるぐらいドキドキしているのが自分自身わかった。
俺も勇気を出さないと………俺の身体、動いてくれ………一瞬で良い、俺の身体緊張解れてくれ………神様、お願いします。一瞬で良いです。俺の身体の緊張を解して下さい………
ヤバい………心臓の鼓動が今まで生きてきた中で1番凄い………
健太は一度目を閉じて深呼吸をした。
よし………由紀乃、いくよ………
健太は由紀乃の唇に自分の唇を近づけた。
少しずつ少しずつ由紀乃の唇に自分の唇を近づけた。この時 健太の緊張と心臓の鼓動が最高潮に達していた。
少しずつ少しずつ健太は由紀乃の唇に近づけていった………
あと10センチ………
あと5センチ………
由紀乃………
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