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列車が走り出し暫くして由紀乃は健太に
『あの………昨日はすいませんでした。』
『ん?すいませんって何がだい?』
健太は何の事だろうと聞き返すと由紀乃はうつむき申し訳なさそうに
『私が缶ビールを飲んで酔っ払ってしまった事です………』
『別に良いさ。でも大丈夫だったかぃ?』
健太は心配して聞くと由紀乃は
『私は大丈夫ですよ。私の酔いが覚めるまで付き合ってくれてありがとうございました。』
『別に良いんだよ。気にしないで。何ともなくて良かった。』
健太は由紀乃を安心させる様に言った。
由紀乃は顔を真っ赤にし恥ずかしそうに
『ただ………ちょっと私事で問題が………』
『まさかご両親にバレて怒られたとか………?』
健太は焦って由紀乃に聞くと由紀乃は首を横に振り
『いえ、違うんです。両親にはバレてないですが………あの、実は………健太さんからビールを受け取って、飲んだ後から…酔いが覚めるまでの記憶がないんです。』
『やっぱり、記憶がないのね………』
健太は由紀乃の言葉に笑ってしまった。
『なぜ、笑うんですか?笑うなんて酷いです………』
『ごめんごめん。でも笑える………』
由紀乃は恥ずかしそうに健太に言うと、健太は笑いをこらえて謝った。
『あの~………それで、私は何か………しでかしましたか………?』
健太は一瞬考え、由紀乃に目を合わさないで外方を向き
『しでかしたって………い、いや………何もなかったよ。だ、大丈夫だったよ………』
正直には言えないよ。お互いにヤバ過ぎる。嘘も方便だ
そう思って健太は由紀乃にウソをついたのだった。
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