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デート前夜、永倉家健太の部屋
『明日の支度をしておかないとな。』
健太はタンスを開けて、明日着ていく服を準備を始めた。
『これは地味だし…これは派手だし…しょうがないな、これを着ていくか。』
決めた服を取り出して、イスの上に乗せた。
『お兄ちゃん、入るよ。』
部屋の外から声が聞こえた後、健太の一つ下の妹………真純が部屋に入ってきた。
『ん?真純どうした?』
健太が真純を見て言うと
『へ~………お兄ちゃん、もしかして明日デート?』
真純は兄をからかうように言った。
『デートじゃないよ、違うよ………うるさいな。』
健太は真純の言葉に慌てて答えた。
『ウソは無しだよ。お兄ちゃん、わかりやすいんだもん。』
真純は笑いながら言った。
『ぐッッッ………この妹、俺より出来るヤツ………』
真純にすべてお見通しな事に悔しがる健太だった。
『ねぇお兄ちゃん、まさかデートにこんな服を着ていくの?』
真純は健太の選んだ服を見て言った。
『そのつもりだけど、デートデートってさっきから言ってるけど、そんな大それたものじゃないぞ。』
健太は照れを隠しながら言った。
『男と女が一緒に遊ぶ。デートはデートでしょ?』
真純は健太に言った。
『男が女性と遊ぶ=デートは結びつかないの。』
健太は真純の言葉を否定すると
『ふぅ~、まったく………だからお兄ちゃんは子供なんだよ。』
真純はため息をついて呆れる様に言うと健太は
『この女、また俺を子供扱いするか…明日会う人は友達だよ。』
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