純情なだけに………

7/23
前へ
/718ページ
次へ
デート前夜、永倉家健太の部屋 『明日の支度をしておかないとな。』 健太はタンスを開けて、明日着ていく服を準備を始めた。 『これは地味だし…これは派手だし…しょうがないな、これを着ていくか。』 決めた服を取り出して、イスの上に乗せた。 『お兄ちゃん、入るよ。』 部屋の外から声が聞こえた後、健太の一つ下の妹………真純が部屋に入ってきた。 『ん?真純どうした?』 健太が真純を見て言うと 『へ~………お兄ちゃん、もしかして明日デート?』 真純は兄をからかうように言った。 『デートじゃないよ、違うよ………うるさいな。』 健太は真純の言葉に慌てて答えた。 『ウソは無しだよ。お兄ちゃん、わかりやすいんだもん。』 真純は笑いながら言った。 『ぐッッッ………この妹、俺より出来るヤツ………』 真純にすべてお見通しな事に悔しがる健太だった。 『ねぇお兄ちゃん、まさかデートにこんな服を着ていくの?』 真純は健太の選んだ服を見て言った。 『そのつもりだけど、デートデートってさっきから言ってるけど、そんな大それたものじゃないぞ。』 健太は照れを隠しながら言った。 『男と女が一緒に遊ぶ。デートはデートでしょ?』 真純は健太に言った。 『男が女性と遊ぶ=デートは結びつかないの。』 健太は真純の言葉を否定すると 『ふぅ~、まったく………だからお兄ちゃんは子供なんだよ。』 真純はため息をついて呆れる様に言うと健太は 『この女、また俺を子供扱いするか…明日会う人は友達だよ。』
/718ページ

最初のコメントを投稿しよう!

332人が本棚に入れています
本棚に追加