初めての会話

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クラス替えをして三日目の朝、2年B組の教室で永倉健太は友達と談笑していた時だった。 永倉 健太とはおれの名前。身長は175、勉強と宿題は嫌い。友達思いの元気な男子。 健太はふと教室の片隅に目をやると……… あれ、どうしたんだろ……… あの娘 今日も一人で座ったままじゃん。 あの娘とはぽっちゃり系の少し太めで、見た感じ地味だけど案外と可愛い女の子だった。 健太は教室の時計に目をやるともう時期ホームルームが始まる時間だったので次の休み時間に声を掛けてみようと思い自分の席に座ったと同時にチャイムが鳴った。 ガラ……… 教室のドアが開き担任の鴻池 雪路先生が入ってくると同時にホームルームが始まり出欠簿を取り始めた。 担任の鴻池 雪路(こうのいけ ゆきじ)先生は古典の教師で時には厳しく時には優しい先生で、年齢は非公開だそうだ。凄いところは相手が同僚の先生だろうと年上の先生だろうと、時には教頭先生にも間違ってると思えば間違ってるとはっきり言う先生で、俺自身はこの先生なら本音をぶつけられる先生かな。 ………大きな声じゃ言えないけど年齢不詳で独身らしい。 『上杉さん………』 鴻池の出欠簿で例の彼女を呼ぶと 『はい………』 やっと声が聞こえて来るぐらいの声で健太は彼女の方を向き 上杉さんって言うのか。3日目で名前を知る自分も自分だけどね。しかし声が小さい娘だな。 『永倉君、来てるなら返事しなさい。何、上の空になってるのっ?』 鴻池が出欠簿で健太を呼んだのだが返事がなく、健太は慌てて 『あっ、すみません………』 クラスメートからは笑いが起こり鴻池は 『静かにして。静かにしなさい。まだ話しは終わってません。』 クラスが静かになると鴻池は 『今日の予定を話します。今日の予定は………』 健太はまた彼女の方を見て 上杉さん、みんな笑ってたのに笑ってもなかったな。どうしたんだろ………やっぱり気になる。 健太は次の休み時間に必ず声をかけようと思った。生徒手帳を胸ポケットから取り出し一時間目の授業を確認すると健太はガッカリした。 一時間目は英語かよ。英語を聞くと子守唄に聴こえてきて眠くなってくるんだよな。英語の担当は菊永って先生で、何故か俺ばかりを指名して答えられないと文句ばかり言ってくる。俺は菊永の事ははっきり言って嫌いだ………
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