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上杉は健太の言葉に笑顔を見せ
『そう言ってくれてありがとうございます。嘘でもそう言って頂いた事が凄く嬉しいです。』
健太は弁当を食べ終え
『ご馳走様でした。嘘じゃないよ、本当の事を言ったまでだよ。家族にも弁当は作るの?』
健太は水道で弁当箱を洗おうとした時に上杉は
『そのままで大丈夫ですよ。私が家に帰ったら洗いますから。母に頼まれた時に家族にお弁当を作ってます。』
健太はにっこり笑って
『やっぱりそうか。何度も作ってるから美味しいんだよね。本当に美味しかったよ。ありがとう。』
上杉は照れながら
『私の手作りのお弁当をここまで喜んでくれたのは永倉君だけです。また作って来て良いですか?』
健太は上杉の言葉に照れて
『本当に俺なんかで良いの?でも何で俺なんかに?』
上杉はうつむいて
『嬉しかったんです………』
健太は彼女の言葉を不思議に思い聞き返すと
『嬉しかったって何が………?』
上杉は一瞬だけ悲しい表情になったのは健太は見逃さなかった。
『私の事を楽しませるとか、友達になってくれるって言葉が凄く嬉しかったんです………こんなつまらない女に一生懸命な永倉君に対して嬉しくて………』
健太は笑って
『俺は見て見ぬふりって嫌いだし、仲間外れとかも嫌いだからさ。友達になるとか楽しませるってもちろん嘘や偽りなしで本気で言ったまでだよ。そうだそうだ、後で一年の時に仲の良かった女子の友達を紹介するからね。』
『私の為にありがとうございます………』
上杉は健太の言葉につい嬉しくなり泣いてしまった。その姿を見た健太は驚き
『ちょ、ちょっと待て………泣く事ないじゃんッッッ。』
上杉は涙を拭きながら
『だってそんな事を言われた事ないし本当に嬉しくて………』
暫く上杉が落ち着くのを待ち
『ごめんなさい。もう大丈夫です。』
健太は笑って
『落ち着いた?いきなり泣いたからびっくりしちゃったよ。』
上杉は照れながら申し訳なさそうに
『ごめんなさい………』
健太は改って
『あのさ、俺って友達に下の名前で呼ばれてるんだ。出来れば下の名前で呼んでほしいな………』
上杉は健太の言葉に一瞬照れて
『わかりました。私は相手を呼び捨てに出来ないのでさん付けしますね………』
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