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由華の言い分 3
「……なんや、メッチャ、ムカついてきたんやけど……」
暫くの間、マフラーと睨み合っていた私だが段々、腹が立ってきた。
大阪から遠路はるばる(?)、久し振りに会いに来た彼女に対して何たる仕打ちなのだろう?
理君の誕生日のお祝いをしようとする気持ちなんて、いつの間にか遥か彼方へと吹き飛んでいった。
もしかしたら、コレを見せることにより、理君は私に悟って欲しかったのかもしれない。
二股している、若しくは、母親に溺愛されていることを――――。
その事実に気付き、暫くその場で呆然としていた私だったが、漸く決心がついた。
スマホを鞄から取り出し理君にたった3文字のLI○Eを入れると、部屋を後にしようとリビングの電気を消した。
どうせフラれるならコッチからフってやる。
今後のことを考えると、浮気男もマザコン男も願い下げだ。
私はそう決心し、玄関へと向かった。
(……合鍵はポストへ入れておいたら、ええやんね)
そう思って、コートを羽織ろうとしていると――――。
ガチャガチャガチャッ……ーー。
ドアの取っ手を物凄い勢いで外から動かしている音が聞こえる。
「!?!?」
驚いて取っ手を見ていると、バタンッと物凄い音と共に理君がドアを開けて飛び込んできた。
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