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(な、なんでこんなことに……っ!)
俺は帰路を急ぐ。
『少し遅れちゃったけど、今日は一緒に理君の誕生日祝おうね!ビーフシチュー作って待ってるよ!』
今朝、LI○Eを確認した時には、彼女は可愛くハートマーク付きでにこやかにそう言っていた筈だ。
『今から会社出ます!17:00過ぎには理君のお家に行ける予定』
昼休みに確認したLI○Eには、上機嫌で語る彼女がいた。
だから、定時に仕事を終わらせるべく必死に頑張ったのだ。
「今日は早く帰ります」
周囲にも朝から告げていた。
自宅の最寄り駅に着いたのでLI○Eを開いた。
『あと少しで家に着くよ』
そう打つつもりだった。
画面を開いた瞬間、先程の文言のすぐ下にはとんでもない3文字があった。
『別れる』
たったそれだけ。
何がどうなってそんなことになってしまったのか、皆目見当も付かない。
猛ダッシュで自宅へ向かう。
(ま、間に合ってくれっ!!)
俺は神に祈る気持ちで急いで玄関の鍵を開けた。
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