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プロローグ
「宗親(むねちか)、すまない。
私が不甲斐ないばかりに…」
「いいんです。いつか恩返ししたいと思ってました。母と私を守ってくださったことに感謝してます」
「宗親とは本当の親子だと思ってる。恩返しなんて言うんじゃない」
「本当の親子なんて、申し訳ないです。私にはあの男の血が流れているのに」
「宗親は、私の息子だ。あの男のことは忘れるんだ」
「はい…あの男のことは忘れるように努力します。でも私はこの家には戻りません。母のこと、よろしくお願いします」
「宗親…」
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