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第一話 相原 夏希
俺の名前は春山 青冬 都内の某高校に通う高校2年だ。春休みも終わり新学期が始まってすでに2週間過ぎていた。春の陽気に包まれ街の桜並木は青々とした葉桜に変わり、穏やかな春風に揺られながらカサカサという音を立てていた。
学校へ向かう生徒達の中には仲良くカップルで登校をする人も多かった。
俺は自他共に認めるいわゆる 「陰キャ」 と呼ばれる分類に属しており眼鏡、オタク、内気と言う3点セットを兼ね備えていた。
どうせ恋愛には無縁だし俺はネットゲームと共に生きていくと心に誓っていた。今考えるとつまらない意地を張っていたと感じる
いつもの夜更かしのせいであくびをしながらイヤホンをつけてスマホでRPG系ネットゲームをしながら通学路を歩いていると。
「おはようアオト~」
俺の背中を一人の女子高生が力強く叩いてきた。
「ナツキ‥‥ 背中が痛いよ」
「ごめんごめん」
無邪気な笑顔で謝る彼女は同じクラスの相原 夏希といい、小麦色の肌にショートカットが似合う活発な性格で可愛らしい女子だ。陸上部のエースで生徒会役員まで務めている学校のスター的存在だ。
「それより昨日はゲームログインできなくてごめんね。友達と電話していて」
「大丈夫だよ。それより昨日聖龍の涙手に入れたよ」
「マジで? 超レアアイテムじゃん。すごい」
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