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プロローグ
綺麗な粉雪が舞う冬のある日、俺は傘を差しながら薄く路面に積もる雪道を歩いていた。
閑静な住宅地を抜け目的地の霊園へとたどり着くと俺は誰もいない霊園を奥まで歩き新しい墓の前で足を止めた。
墓石にうっすら積もった雪を払いのけ白い息を吐きながら俺は墓に向けて語りかけた。
「ナツキ、会いに来たよ」
俺は茶色のショルダーバックから出したライターで線香に火をつけてお墓に供えて手を合わせると白い線香の煙は雪の降る冬空へ導かれるように静かに上っていった。
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