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横に置いていたリュックサックを床に置こうと、ふと目線を上げた時だった。
僕から見て斜め前の方にある滑走路が眺められる大きな窓のそばに置かれたベンチに、2人の若い男女がいた。赤いジャケットと黒のTシャツを着て青いジーンズを履いた黒い短髪の若い男性と、緑色のロングコートを羽織ったロング茶髪のハーフっぽい若い女性だった。
女性が膝に置いていた大きな紙袋を男性に手渡した。
「あっ、はいこれ」
「んっ、何?」
男性は紙袋に手を突っ込み、何かを取り出した。男性の手には、白いニットマフラーがあった。パッと見た感じ、手作りのようだった。
「おお、すごいじゃん!」
「高校の頃から付き合って長いけどさ、リー君の為に何か作るっていうのしたことなかったし、せっかくだから頑張って作ってみた」
「ありがとう、マジうれしい」
リー君と呼ばれたその男性は、すぐにそのマフラーを首にかけた。
「おお……いいじゃん!」
「でしょ! 良かったぁ」
「うん。このストールはどんな服でもいけるよ」
「でしょ……んっ、えっ? ストール?」
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