心と感情

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 嫌なことを、負の感情を自分の中に溜め込むとどうなるか。  いずれは、心が壊れる。もう溜め込めないと、悲鳴を上げる。  それを回避するために、私はできるだけなにも感じなくなるように努めた。泣いたり、怒ったり、苦しんだり、不安だったりを、感じないようにしたのだ。  そうすれば、楽ではないが、息が吸える。  心を目に見えぬ氷で封じたのだ。  心から溢れ出す目に見えない血も一緒に。  心を氷で封じてしまえば、すべてが解決すると思ったが、そうではなかった。  心の中に巣食う闇が晴れたわけでも、深まったわけでもない。  闇は闇として、心に居座り続けている。  なにをしても心に巣食う闇は、晴れてくれないのかもしれない。  だから、手を伸ばすことも諦め、ふらふらになりながら、闇の中を歩く。  ぼろぼろの自分の身体を抱きしめて。  闇の中を歩く自分を見ながら、傍観者が考えること。それは、〝どうしていれば冷静でいられるか〟と〝この先どんな不幸が起きても耐えられるか?〟ということ。  なにがあっても冷静でさえいれば、感情の渦に飲み込まれずに済む。私にとってもう一人の傍観者は生命線とも言えよう。  この存在が消えてしまうと、私が私でなくなってしまいそうで、とても恐ろしい。  この先のことについては、残念ながら、そのときになってみなければ分からない。  なので、保留としておく。  今さらかもしれないが、私は精神的苦痛を抱えて生きているが、その傷の癒し方を知っているわけではない。むしろそんな方法あっても、知っていたとしても、使わないだろう。  癒すだけ無駄なのだから。また新しい傷をつくると分かっているのだから。  傷だらけのままで構わない。それすらも抱えて生きていくと決めたのだから。
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