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私が小説で努力していることなど、親には分からない。
私が覚悟を決めて、取り組もうとしたのが、親には分からない。
私はなにがあっても、小説から逃げないと決めたのだ。
小説が書けなくなっても、しんどいシーンを書いているときでも。
恋愛なんかのシーンを書きながら、「こんな恋愛してみたい」と思っても無理な話で。でも、小説の中でくらいそんな気分に浸りたくもなって。ほんの少しの幸せをキャラクター達に感じてほしくて。
私の描く主人公達は、私とよく似ていて。
苦しい道を自分で決めて進み、自分のことなどどうでもよくて。
それは、私の理想の姿だった。
そうして、誰にも知られることなく、密かにこの世から去る。
そんなことに憧れていた時期もあった。
でも、無理だと気づいた。
そんな真似をし続けていたら、自分という一本の芯が根元からぽっきり折れてしまうかもしれないと恐れたから。
少しずつ、心に溜まったものを吐き出すようにしないと、バランスが保てないように思えたから。
使えるものはすべて使って、少しでも心を軽くしなければ。
これから起こるであろう、悪い出来事を受け止めることができるようにしておかなければならない。
吐き出したとしても、辛さや苦しみが完全に払拭されることはない。
それこそ、環境でも変えなければ、無理だろう。
私はこの辛い生き方を変えられない。
今さら自分可愛さで、光の中を歩くことなどできやしない。
闇の中はしんどい。辛いし、苦しい。
心に傷を負い、右腕には罰として刻まれた傷が痛みを訴えていて。でもそれよりも傷んでいるのは心の方で。両手は心から溢れた鮮血で真っ赤に染まっていて。私は罪人なのだと思い知らされる。
闇を選んだことも、過去の選択もすべて間違っていたのか?
そうでなければなぜここまで苦しまなければならないのだろう。
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