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碧葉白百合女学院の臨時講師になった八雲は、小夜子の家に泊めて貰うことにした。
八雲の自宅から、碧葉白百合までは距離があり、通勤が難しいためだ。
小夜子の家で、八雲は彼女が知っている事件の概要を詳しく聞いた。
亡くなった三人に共通するのは、学校内でで紐状のもので首を絞め、殺されたということと、そして素行があまりよくなかったということ位だ。
「それと、彼女たちがしていたマフラーが持ち去られていたそうだけど」
「マフラー、ですか?」
凶器がマフラーなのだろうかと思った八雲だが、それならわざわざ持ち去る必要はない。
被害者の持ち物をわざわざ持っていくのは、リスクが大きいからだ。
「マフラー収集家?」
そんなものがあるのかは知らないが、思い付いたことを口にしてみる。
違和感しかないため、頭を振って否定した。
「とりあえず、学校の様子を探っていきましょうか。学校内での事件なんて、部外者が犯人の可能性はないに等しいですし……」
有名なお嬢様学校なのだから、部外者が易々と入れるほどセキュリティレベルは低くないはずだ。
そんな校内での事件。犯人は学校関係者に絞って考えて良いだろう。
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