新しい職場そして。

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新しい職場そして。

新しい部署といっても、グループが変わるだけで何も変わらない。 何か新しい仕事を始めるために集められたグループ、としか聞かされていない。 ➖なにか面白そうなことないかなぁ?➖ 会議室に集められたメンバーをくるっと見渡した。 あまり知らない人もいるが女は美樹1人。 ➖これは本格的にお茶汲み係りだわ➖ それならそれで、立派なお茶汲みになってやる!とへんなスイッチが入った。 会議開始の10時になった。 社長が入ってくる、新しい仕事のメンバーをあと3人連れて。 「「「おはようございます」」」 「「「「おはようございます」」」」 みんなが挨拶をするなか 美樹1人だけが、固まった。 今度こそ、息が止まるかと思った。 社長の後ろから入ってきた3人組の1人から目が離せなかった。 「うそっ!」 「どうかしたの?白井さん」 フリーズした美樹の隣で、林が声をかける。 林は入社したての美樹に、仕事の説明やパソコン業務を教えてくれた美樹より一回り若い男性社員だ。 「あ、えーーーと、なんでもないです、はい」 あの人知ってるとは言えなかった。 まさか同じ仕事をすることになるとは。 榊原方人。 目が合った、と思ったのは美樹だけのようだ。 ロボット展の時と同じように、榊原は全くの初対面の顔をした。 ➖あれ?社長も?➖ どういうわけか、社長も榊原とは初対面の顔をして話している。 「あ、美樹さん、コーヒーをお願いしていいかな?」 「は、はいっ、淹れてきます」 榊原たちの後ろを通り、会議室から出て行く。 ➖マジ?マジ?マジ?今度こそ運命でしょ!!➖ ほとんど声になりそうな独り言。 給湯室でコーヒーを淹れる手が震える。 8杯のコーヒーを用意して会議室へ運ぶ。 コンコンコン! ノックは3回、2回だとトイレの合図になると昨日ビジネスマナーの本で読んだばかりだった。 「失礼します」 美樹が戻った頃にはもうみんな、名刺交換が終わっていた。
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