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ワイン
すーっと、榊原の寝息が聞こえた。
➖疲れてる?それとも時差のせい?➖
薄暗がりのなかで、ティッシュを探す。
静かに、起こさないように。
美樹は自分と榊原をキレイにした、そっと。
でも。
➖なんか、悔しい!いともあっさり私のポイントを見つけられて!そうだ!➖
寝息を立てる榊原の耳元で囁く。
「榊原さん、遊ばせてください」
ぴくりと榊原が動いた。
「ん?なんですか?」
かすれた声の榊原。
横たわる榊原の膝もとに正座する美樹。
「これ、遊ばせてください」
美樹は、榊原の、もう寝る体制になっているそれをそぉーっと両手で包んだ。
クスッと榊原が笑った。
「いいですよ、ご自由に」
常夜灯の光は妖しく美樹を照らす。
喉が渇いていてホントは水が飲みたかったが、美樹は唾液を溜めて榊原をくわえた、パクリと。
榊原は相変わらず寝息になっている。
「本当に、遊んじゃいますからね」
さっきまで美樹を突いていた時とは違い、役目をおえてまるで芯がなくなったような榊原のそれを、両手で包み、先端を口に含み軽やかに上下に動かす。
指も舐めてなめらかに、側面から下、ふくろの裏側の筋のあたりを小刻みにさすりながら、ゆっくりと刺激を与えていく。
「んっ!・・」
榊原の声が、反応していることを伝える。
咥えたままで、美樹は榊原の両足の間に入り、正座をしてさらに刺激する。
できるだけ緩やかに、ゆっくりとじれったくなるように時間をかけて。
「ふぅっ・・・」
眠いのに刺激されて眠れない榊原の、我慢できない声がさらに美樹をけしかける。
➖どうしても、榊原さんを、私がイカせたい➖
美樹には、自信があった。
『プロの技でもイケなかった』
そう言っていた男を、イカせたことがある。
田崎にも仕込まれた。
榊原の前で、いまさら経験少ないんですぅみたいなことをする必要もないと思った。
『ぼくは百戦錬磨ですから』
そう言っていた榊原の、たくさんの経験の中で記憶に残る女になりたかった。
それに、これが最初で最後かもしれないと思ったら、よけいに美樹の心に火がついた。
榊原が起きた気配がする。
美樹は正座をしたまま、舌を榊原自身の全体に這わせ時折先端の筋をなぞり指はコロンとふくろごと2つの丸を撫でる。
たまに、爪をそっと立てながら。
「・・くっ・・!」
榊原が美樹の髪を撫でる。
美樹の動きに合わせて、髪を撫でる。
強く撫でられたら、美樹も強めに動かす。
さわさわと撫でられたら、さわさわと舌を這わす。
さっきまでなかった、【芯】が戻ってきた。
榊原の呼吸が荒くなってくる。
それでも美樹は続ける。
「美樹さん・・・、それ以上は・・・もう・」
「いいですよ、このまま、イッてください」
「でも・・」
「いいんです、このままで」
美樹はさらに舌と指を使って榊原に刺激を与える。
脈打つ榊原は、もうすぐイク。
舌先でチョロチョロと先端を舐め続け、右手はまるで楽器を演奏するように動かし、左手はふくろごとコロコロ転がす。
「うっ!!」
榊原の声と同時に、口の中に榊原の液がひろがった。
二回吐き出されたそれは、美樹の口の中に溜められた。
こぼさないように、そっと唇を閉じ榊原から離れる。
ごくん!
「あ!」
榊原が小さく声をあげた。
続けて美樹は、榊原をキレイに舐め上げた。
「飲んじゃいました」
「あらあら」
榊原は起き上がり、美樹の頭を撫でた。
「え?ご褒美ですか?」
クスッと笑う榊原。
➖ワインの味だった➖
いつか、榊原におしえてあげようと思った。
『榊原さんは、ワインの味がしました』
初めて、イヤじゃない味だと思った。
たいていは吐き出してしまいたくなるのに。
飲み物で味が変わると誰かが言ってた。
『たとえばパイナップルジュースを飲み続けてるとパインの味がする』とか。
榊原はワインの味。
納得した。
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