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そんな甘々で優しい彼は出張前にはマフラーを私に渡す。夏でもだ。
私はそれを巻いて彼を感じながらすごし、夏はベットのところにおいてある。
彼のマフラーはどんなに辛い時もシトラスのようなお日さまの香りで私を包み安心させる。
私と彼をどんな時もつなぐものだ。
「ただいま。柚子」
「おかえり。出張お疲れ様、龍樹。
はい、マフラーありがとう」
「おう!」
彼の笑顔は今日も眩しい。そして今日もマフラーは私たちをつなぐ。
まるで赤い糸のように。
しかも糸より太いからずっと一生、永遠に私たちを結ぶものであるようだ。
彼とずっと永遠に。マフラーを添えて。
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