俺の加護はご先祖譲り?

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「どうしたレン?気分悪いか?…ケルト大臣。由緒正しいメーメルン次期公爵に向かって失礼だぞ!」 「…出来損ないなのは間違いありませんでしょう?陛下も幼なじみかもしれませんが、能力のない者を重用しないで欲しいですな。リリティア姫もそろそろ目を覚まして」 「お黙りなさい。王家の者に進言できるほどあなたは偉いのですか?」 …あ。 ティアがキレた。 俺はそ~っとティアから離れた。 陛下である幼なじみのセンジュもティアを避けて、大回りでこちらに来た。 (「やば。それでなくとも気が立ってるのに、バカ大臣ケルトが煽りやがった…。ティアが猛アタックでレンを陥落したの、アイツ知らないからな…。…イージュに嫁に行って欲しいって言ったら、顔を引っかかれたんだ…」 「…ってことは…。俺が黙って見送ろうとした場合扇で鼻の骨、折られるかも?…よしっ!召喚魔法頑張ろう!」) センジュは期待半分、寂しさ半分、といった顔をする。 産まれたときから魔法貯蓄症ではないのに魔法が使えず、加護も一つだけ。 召喚魔法という、変わった魔法を持っていたが使えない。 なのにセンジュの妹リリティアに物凄く(どこが良いのか分からないが)気に入られ、婚約した。 ティア、おっかないけど可愛いもんな。 加護が幸運なら、上手くすれば絶対、最強の召喚獣が手に入るに違いない! 俺は鼻息も荒く、マルアール王宮を辞したのだった。 「…ダメだ…。何も召喚できない…」 何をやっても魔方陣は、ウンともスンとも反応しない。 少し強い召喚獣でも良いのに、なんにも来ない。 俺の加護"幸運"! 少し働いてくれよ…。 疲れて仮眠を取ることにした。
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