俺の加護はご先祖譲り?

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夢を見ている。 フワフワした雲、薄い桃色と水色と金色が混じり合う空…。 匂いまであり、芳しい…。 「あああ~!退屈!退屈すぎて死ぬ…」 「くっそー!アイツら!門番に接触禁止って…フザケンナ!!!」 「もう少しで神界と地上の境の門、壊せるところだったのに…」 「間抜け神(レシオール)様だけ行き来できるって、狡いからさ?鍵を山ほど付けてやったけど…退屈…。嫌がらせで、もっと付けてやるか…。二人とも協力して!鍵の上に鍵付けてやる…」 古風なドレスを着た自分と同じ髪色と瞳の色。 抜群のプロポーションに優雅な佇まい、なのに口が悪い。 錬金女神リリティーゼ様みたいだ。 …黒髪にオッドアイは守護剣神(けんしん)アルディード様? 白金の髪とアメトリンの瞳は守護魔神(ましん)エルレット様? 頭の中に❓を浮かべたまま三人の後をフヨフヨ付いていく。(何故か浮かんでいて歩けない) 三人は境界を守る門番に目もくれず(双子の門番ボロボロなんですけど)、せっせせっせと鍵をジャラジャラ付け足していく。 「アハハ!芸術作品!これ、普通の門なら鍵の重さで門が倒れてるね!少しスッキリした。さてと…二人ともどこ行く?」 「あ~星の海?」 「女神たちやニンフに見付かるとめんどいんじゃない?森ならドライアドに気をつけるだけでいいと思うんだけど」 「確かにな!…光の森にしようぜ!風や土の森だとドライアドどころか、シルフやニンフが山ほどいやがる」 「じゃあ光の森にれっつごー」 錬金女神リリティーゼ様のような女性は左右の男に腕を絡め、スキップしながらキラキラしている場所に向かった。 途中で色々な人物に話しかけられるが、全て『興味ない』で放り出し…着いたらしく辺りを見回し 「ソコの精神体、ちょっとここに来い」 と呼ばれ引き寄せられた。 最初っから分かってたっぽい。 「お~?やっぱ人間だよな?」 「精神体が入り込むなんて珍しいね…?リィちゃんの髪と瞳の色と一緒?」 ピリッとした気配がして、自分の身に危険が迫っている気がした。 「あんた名前は?」 リィちゃん…いや、錬金女神リリティーゼ様に聞かれ、俺は答えた。 やけにリアルな夢だな、と思いながら。
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