53人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
カーの恨みは深かった!
「精を出してるねぇ…。デ・モ!私たちを神界に閉じ込めたこと、許さんからな?」
私たちが福音の女神シシリーのことを聞き回り、探し回ってウロウロしてるとヴァルファルとカルクゥが来た。
「お帰りなさい、リリティーゼ。アルディードにエルレット。君たちはまだ修行中なのだ。もう地界に下りることは許しません」
「そもそもなんで召喚魔法に応えたんだよ?拒否できたはずだろ?」
ヴァルファルとカルクゥの言葉に私はデッカイ
「フンッ!」
で返した。
こんな退屈なトコ、居られるかっての!
しかし…この二人邪魔だな。
シシリーを探せないじゃないか。
「カー。ヴァルファルの相手してくれない?」
"や つんつん たおす ごしゅじんさまぶった きらい"
ルトが空中に書けるペン(数秒経つと消えていく)を造って渡したら、物凄く喜んで活用してる。
それにしても…カルクゥに対する恨みは根深そうだ。(笑)
カルクゥに向かい、ずっと後輪を空吹かししてる。
「"つんつん"って、髪のことかよ?ってか…俺、相当嫌われてね?」
「…リリティーゼの腹を殴ったことが、余程許せないようですね…。舐めてかかるとカルクゥでも、不味いですよ!」
ヴァルファルが警告を発したときには、カー、カルクゥに飛びかかってた。
ギョッとした顔でカーを避けたカルクゥに、カーは少し行った先でブレーキを掛けて反転する。
「…ん。やっぱり前輪の可動域があると動きがスムーズだね。小回りも利くしブレーキの掛かりも良いし。リィちゃん、いっそのことカーを四駆に改造しちゃったらどう?パワフル差と動きでカルクゥを追っかけるついでにヴァルファルも潰せるかもよ?」
ルトに言われ微かに頷いたけど…
「いや、パワフルにはなるだろうけど魔力が保たない。なんだかカーって予想より魔力が無くなるの早いんだよ。四駆にしたら予定より早く動かなくなりそうで…」
「カーの下側に接触充電装置付けたら?で、人通りの多い場所で人が持つ待機魔力を吸い取って…って、その方法がないか…」
「…ククク…アイスドラゴンの魔石で魔力吸放カーペット造ろっと。階段下に敷いとけば、カーは永久に…」
「…おい、ルト?リィが悪い顔になったぞ?」
「うわぁお。アイスドラゴンの魔石でカーペット。ほぼ壊れないね。メーメルン邸の玄関、階段下は人が絶対に通るところだから、カーが魔力切れで動かない。なんてことはなくなるね。…いっそのことバルディンも充電式に変えたらどう?」
「!…フフ、アハハハハ!!!そうしよう!シシリーを丸め込んだら全員起こして、肉球や足裏に魔力充電装置設定!ディーもルトそうしたら?」
するとディーもルトも顔を明るくした。
特にプテラには充電は必要だろうし。
これからを語ってる横でカーがカルクゥとヴァルファルに飛び掛かり、ナナコが援護している。
応急措置でナナコは魔力を込めた魔石を首に掛けてるから、ヴァルファルはともかくカルクゥには足留めぐらいは効いていて傷だらけになってる。
ナナコには頑丈な脚もあるから、ヴァルファルは蹴られないように側に寄れないしね。
ナナコに油断してると横からカーが飛んでくるし、カルクゥは必死だ。(笑)
「やべぇ…!ヴァルファル、レシオール様を呼んでくれ!俺、このまま錬成物二体の相手はできねぇよ!ヤられる!!!四角いのの戦術戦闘能力、主人のリリティーゼより高いぞ?!これでアルディードとエルレットが参戦したら十分ももたねぇよ!」
と泣き言を言うカルクゥに、ナナコが羽を広げて威嚇。
その横を…
「カルクゥ、避けなさい!!!」
とヴァルファルが言ったときは遅かった。
ナナコの陰からカーが飛んできてカルクゥにヒットした。
ボキャッ!
と妙な音を立てて、カルクゥが消えた。
百年くらい眠りに着くんだろ。
自業自得だわな。
…カー、とてつもなく満足そうだな…。
次は、ヴァルファルかぁ…(喜)
最初のコメントを投稿しよう!