53人が本棚に入れています
本棚に追加
閑話~一人でも大・丈・夫!~
「ハーハッハッハッ!ドSトリオさえいなけりゃ、こっちのもんだ!!!」
と、魔王が高笑いし始めた。
…どうしようか?
俺はセンジュとティアと目を見交わした。
アントン様は、執務とお世話係を叩き込むためカールデン子爵とケルト元大臣を引き摺って行ったためいない。
勿論カーとナナコもいないから、カイとヘレだけじゃ…
バシッ!
「ギャッ?!」
ドカッ!
「ギャワワギャッ!」
「『アニキの癖に煩いぞ!おとなしくしろ!』だとぉ?!俺は錬成ドラゴンのアニキになった覚えはねぇよ!!翼で叩くな!」
…あ~。
ドラゴンがいたんだった。
じゃあなんとか…
「煩い!何高笑いしてるんだ?僕はとっても忙しいんだ。(にこ~)魔王。覚悟はできてるんだろうね?」
「…Σ(・∀・|||)」
…あ。
魔王の顔がシンプルになった…というか。
アントン様、笑顔が怖いぞ?
「さぁ!こっちに来てくれ」
「イ、イヤダ…!タ、タスケテ…」
ガシッと魔王の襟首を掴んで引き摺られて出ていく魔王に、俺とセンジュとティアは固まってガクブルする。
カタコトになった魔王が俺たちに助けを求めて手を差し伸べてくるけどその手は恐ろしくて取れない…。
3人で全力で横に首を振って、引き摺られて行くのを見送った。
「ギャアァァァ〜!ごめんなさいぃぃ〜!!!おとなしくしてるからぁ〜ゆるじでぇ"ぇ"ぇ"〜!!!!!」
遠くから泣き声が聞こえる…。
リィ様たちが魔王を平気で置いて行ける理由が、よぉく理解できた。
アントン様さえいれば、全部なんとかなるや…。
最初のコメントを投稿しよう!