召喚成功しました…しなくてもいいのに…

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「今から召喚魔法を使う。マルアール、持ち直すよ。…あんなのと戦おうとするのはおバカだけ」 「?召喚できるのか?」 「うん。本人たち、ヤル気満々。召喚しろ!って煩い」 「…え?話せるのか?意志疎通できるのか?」 「意志疎通はできるけど…。こっちの言うこと聞いてくれるかは…ハハハ…」 マルアール王国史を見てもメーメルン公爵領資料を見ても、お三方はかなりフリーダムなのだと推測できる。 召喚されたら、おそらく好き勝手に暴れるつもりだろう。 「さっきの声の方を召喚すると?女性の形を取る魔物ですか?」 ピリピリしているティアに説明しようとすると 『なぁ、リィ?召喚陣はできてるみたいだぞ?モタモタしてるみたいだから、こっちから仕掛けてみねえか?ルト。手伝えよ』 『オッケー。まず向こう側の陣に魔法を通してボンクラ公子の反応を見ようか』 「うおっ?!魔法陣が淡く光り始めたぞ!…召喚して大丈夫なヤツなのか?ボンクラ、って言われてるぞ…?」 「一応大丈夫…たぶん…」 勝手に乗り込もうとしている。 召喚魔法、必要なさそう。 『こら!召喚陣に魔法を注げ!不安定で、しかも呪詛の影響が強くて長時間そっちに居られそうにない。…不安定放っておこう!なんて考えたら、居られる間は本気でスパルタで魔法、錬金術、公爵家執務内容、礼儀作法叩き込むからな?私、ディー、ルトで三人寄って集って』 「リリティーゼ様!魔法の準備できました!お喚び致します!!!」 サディストリオ(500年以上前のイージュ王が付けたあだ名)に囲まれたら、間違いなく俺の精神が死ぬ。 『召喚方法は"神"で喚ばずに、本名フルネームでお願いだよ?…その方が地上で融通が効くし、なにより制約に引っ掛からないから』 『『さっすがルト!冴えてる!!!』』 「「…なんだかとんでもないモノ、召喚しようとしてない?」」 センジュとティアが顔をひきつらせてる。
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