俺の加護はご先祖譲り?

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俺の加護はご先祖譲り?

「済まない…!ティア、レン!このままではマルアールが攻めこまれ、無くなってしまう…!阻止するためにはティアに政略結婚でイージュと縁続きにならないとダメなんだ…。本当に済まない…」 「………」 ティア、マルアール王センジュの妹リリティア姫は、何も言わずポロポロと涙を流していた。 「メーメルン公爵家なのに錬金術が使えなくなって久しく、加護の内容も分からない。先代メーメルン公爵も亡くなり後ろ楯もない。そんな男と我が国の宝"リリティア姫"が婚約状態であったことが奇跡だったのですよ!」 大臣の一人に言われ、俺は唇を噛んだ。 確かにその通りだ。 初代メーメルン公爵リリティーゼ·ミナ·ルテシー·メーメルンと夫であったアルディード·フォン·マルアール·メーメルンとエルレット·ベルク·ハシュテッド·メーメルンが地上を去って500年は軽く過ぎた。(本人たちは地上に残りたかったようだけど、創世神レシオール様と魔法神ヴァルファル様と戦神カルクゥ様に強制的に神界に連行された、らしい) お三方、素晴らしい錬金術の使い手で、あれほどの錬金術士は誰もいなかった。 辛うじて息子のアシュレイ·アルト·メーメルンと、妻のフィーナ·メイ·ギトス·メーメルンが出来の良い錬成物を造ってたらしいが、それも今は昔。 先祖であり錬金女神リリティーゼ様に祈ったって、錬金術は使えない。 「なんとかリリティア姫様と結婚したければ、唯一の特技"召喚魔法"で打開するための召喚獣、喚び出してください。…まぁ、もっとも?喚び出せたら、の話ですが。リリティア姫。あなたはマルアールの姫なのです!臣下の公爵より王に嫁ぐのは良き事ですぞ!」 …確かに何も喚び出せたことはないけど…今まで喚べなかったけど、これからもそうだとは限らないじゃないか! ティアが正式に結婚する、もしくはイージュかフェイデに攻めこまれるまで、何かを喚び出すために頑張ろう! 錬金女神リリティーゼ様と同じ髪色と瞳の色を持つ者として、絶対諦めるもんか! 読めない名前の神様! お力をお貸しください! 『…気のせいか、と思っていたが…おかしいの?妾の加護が何故この世界に…。あぁ、なるほどなん。持っていた本人が神格化して、妾の加護が弾かれたのん。で、血筋を廻ってる、と…。せっかく妾が連絡を取ったなん。世界最強の"幸運"を持ってる者として、加護を存分に生かすのん』 …加護って"幸運"?
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