真っ白世界

どうしよう･･･

私の大好きな漫画が、真っ白になっていた。
カバーも、中身も。しかも持っているやつ全部。

「なんでぇぇぇ！？」

頭の中が「！？」で埋め尽くされていく。私は、どうにかならないものかと、母のところへ、走っていった。

「母さん！！！！」

リビングへ入るなり、大声を上げた。

「何なのよ、あんた朝からうるさいわね」

と母は怒っている。でもそんなの気にする暇もない。母の腕を掴んで、強引に私の部屋まで連れて行き、本棚を見せた。すると母は

「何、本がどうしたの。虫でもいたの？」

と怒り声で言っただけで、漫画が真っ白になっていることについてはノーコメントだった。

「え、真っ白、漫画が、」

と私は狼狽える。母は

「は？とりあえず、早くご飯食べて」

とだけ言って、リビングに戻っていった。

「どうしよう･･･｣

1人残された私には、どうすることも出来なかった。