チャンス!

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チャンス!

いつの間にか、私とシローナ以外、誰もいなくなっていた。おかげで、何も気にせず動ける!私は、運動神経にはちょっと自信がある。何度も振られる杖の攻撃を避けながら、どうすればいいか考える。 「むー、動かないで!」 「てか、何で私なのよ!」 「選ばれたから!抽選で!仕方なーいの!」 またしても無茶苦茶。抽選なんて。そもそも、私が選ばれる確率なんて、恐ろしく低いだろうに。 私の中で、何かが切れる音がした。 大きく息を吸い 「何で私ィィィィィィィ!!!」 と叫んだ。叫びながら、もうどうにでもなれと、鞄の中に入っていた水筒をぶん投げる。 それが、見事にシローナの杖に当たった。 「やた!」 思わずガッツポーズ。 「あわ、あわあわわわわわわわぁ!」 意味不明なことを叫びながら、シローナは宙を舞った杖を取ろうと慌てる。でも、慌てすぎたのだろう。杖を私の方に吹っ飛ばしてしまった。 チャンス! 私は心の中で叫び、杖を奪った。
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