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飲み過ぎました
会社の前期打ち上げ。
その夜はちょっと飲み過ぎて、でもちゃんとタクシーで帰ったのだけど。
「飲みすぎちゃいました」
マンションの前で待っていてくれた三上さん。
「見ればわかるけど」
ちょっと怒ってる?
ふらつく私の腕をとって部屋まで連れて行ってくれる。
ソファーの前のラグにどっかり座り込んだ私にお水を持ってきてくれた。
「俺が一緒にいない時は、飲み過ぎないで欲しいんだけど」
三上さんからのお説教、それに深いため息までつかれてしまった。
「たまにはいいじゃないですか。私だって、もうちゃんとした大人ですから。三上さん、保護者みたいですよ」
「どこが大人なんだか。過去を引き摺って立ち直りきれてないくせに。中途半端なくせに、人のことを親扱いするんじゃないの」
「お父さん」
「いい加減、怒るよ」
「だって、もうさっきからずっと機嫌悪いじゃないですか」
「お酒飲んで、隙だらけで、そんな色っぽい目して他のヤツと飲んでたのかと思うと、腹も立つ。こっちがどれだけ抑えてると思うの?」
三上さんはソファーに座ってるから、私は彼を見上げる形になる。
「そうゆう目で見ない。誘ってるの?」
お酒のせいか、ちょっといい具合に頭がボーッとしている。
私から誘ってもいいんですか?
バツ1ですけど。まだ立ち直り切っていないですけど。
私の理性、どこにいった?
三上さんに向けていた視線を正面に戻して、三上さんの膝をお借りして頭を傾ける。
「三上さんは私のこと好きですか?」
今夜はアルコールの力を使わせてもらおう。
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