捨てられなかったチャーム

飲み過ぎました

「シャワー浴びたい」

ホールドは解かれない。
泣きそうになる。
だってタバコ臭い、酒臭い、自分の汗の臭いまで気になってくる。

「三上さん、お願い、シャワー浴びさせて。そしたらいいから」

私、何言っちゃってる？
でも少し腕の圧迫が緩んだ？

「していいってこと？」

ここでの正解はなんだ？

「そう？杏からの同意が得られたので、解放してあげる。シャワー浴びてきていいよ」

体が自由になったので、とりあえずバスルームに向かう。

「のぼせないように、10分以内ね」

学校の団体活動じゃないんだから。
ツッコミどころ満載だけど。

シャワーを浴びながら、頭がクリアになっていく。
私、今、なんか三上さんととんでもない約束した？

パウダールームの棚を開けて、パジャマを出して着てみたものの、ここから出るのが躊躇われて、いつも以上にゆっくりとドライヤーで髪を乾かす。
するとパウダールームの扉が開いた。

「10分以上経過につき強制連行」

三上さんはドライヤーを私から取り上げると、お姫様抱っこをしてくる。