元カレの元カノ

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元カレの元カノ

そんな悶々としているとき、私は高橋優愛に再会した。 正確には元カレの元カノ。ちょっとややこしい。彼女とは別に、元カレを巡って確執があったりした訳ではない。就活で私の元カレ、山崎風斗のヘタレぶりを目の当たりにしたときに高橋さんの方からから声をかけてきてくれた。 元カレは一浪していたから、同級生だった高橋さんは私の1つ上。風斗より高橋さんの方が先に社会人になっていた。それが別れの原因だったのかな。学生よりも社会人の男性の方に魅力を感じた彼女は、結果、風斗との別れを選んだようだった。 元カレは就活に行き詰まり、普通なら声をかけることは絶対にないであろう元カノの伝手まで使おうとしたらしい。というのも彼女はリクル―ターをしていたから、好都合だと判断したということだった。でもそんな動機だから、彼の高橋さんの会社への就活は失敗。それでも建前を重んじる彼は大学院に滑り込んだ。 そんな風斗をそばで見ていた私は、最初こそ応援していたものの、私の知らないところで、サークルの後輩とデートまでする彼をみてぶちぎれて、お別れをすることにしたのだ。 髙橋さんが私に声をかけてくれた理由。それは私も風斗と同じく就活生だったから。だから私もリクルーターだった彼女と会っていた。高橋さんの会社は就活生の人気の企業だったし。元カレはダメだったけど、私は彼女のおかげか、実は彼女の所属する会社から内定まで頂いていた。でもいろいろ考えた末、違う会社に就職することになったのだけど。そんなこんなの過程で元カレが縁で、私は高橋さんとはコンスタントに連絡をとるようになっていた。 丁度1カ月前、久しぶりに高橋さんと飲みに行った。東京に出張かなにかで来ているのかなと思っていた彼女は既に転職をしていたらしい。私はついつい現在の就業状況の愚痴を際限なくしゃべり倒した。殆どが三上先輩への悪態だったけど。そうしたら、今勤務している彼女の会社で人材募集の話になり、履歴書だけでも送ってみてという段取りになった。そして、2度目の面接の後、この度、めでたく内定を頂くことができた。
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