お土産は明太子

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三上さんが出張に行った週半ば。 さっきから、ずっと視線を感じている。 会社からの帰り道。 家に帰ろうと、電車をホームで待つ。 気のせいじゃないな。 私はホームに来たいつもの電車に乗り込むと、通路ぞいに場所を移動していく。発車を知らせ、ドアを閉めるアナウンスを聞きながら、ホームに再び飛び降りた。私の背後ですぐにドアが閉まる。多分、これで大丈夫。 それから電車を2本見送って、私は家に帰った。 誰だろう?それとも気のせい? さすがに翌日も同じようなことが続くと気持ち悪くて、3日目には朝からいつもより大きめの鞄を持って、出社した。今日は外出先から直帰。会社に行く前にコインロッカーに鞄を仕舞いこむ。 申し訳ないけど、今日は三上さんの部屋にお邪魔してしまおう。この2日間、安心出来ず、ほとんど眠れていない。三上さんは明日の夜、帰ってくるはずだから、今日は三上さんの家でのんびりさせてもらおう。 誰もいない三上さんの部屋に入るのは初めて。 でも三上さんの雰囲気をそこかしこに感じて、安心する。クローゼットを覗き見すると、見たことのあるスーツや着た姿を想像することしかできないカジュアルな服。そのハンガーの一つに私の返したマフラーを見つけてしまう。昔はこれを見るたびに心が痛んだけど、今はなんとなく懐かしく、思い出の一つ。初めてこれを拾った時、三上さんがしていたように首に巻いてみたり、匂いを嗅いでみたりしたっけ。でも、それって、変態っちっく?手に取っていたマフラーをハンガーに戻し、クローゼットを閉じる。 今日はゆっくり眠れそう。
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