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翌日、お昼過ぎくらいに三上さんからメールが入る。
少し遅くなるから、部屋にいてって連絡。
もうお邪魔してますが。
これって、ご飯とかを用意しておくパターンだろうか。
初、手作りディナー?キッチンに立つエプロン姿の私の隣に立つ三上さん。
そんな妄想を膨らませてしまった。
付き合ってるって訳じゃないのに。
久しぶりに会って、ちょっと盛り上がっているだけ。
「橋本さん、いいことありました?顔がにやけてます」
向かいに座る年下同僚から声をかけられる。
何してるんだか、私。
そんなこんなで、ちょっと、テンションが高くなり過ぎていたんだと思う。
会社帰りのちょっと寂しい道、その日、その時間に限って人通りがたまたま少なかったのかもしれない。背後から近づく足音に気付くのが少し遅れた。
私は慌てて走り出す。
今日に限って、いつもよりヒールが高め。
だって、三上さんに会うから。少しでも女子力上げたくて。
思ったより速度が上がらない。
距離が狭まるのがわかる。
腕が捕まえられる。
この先は公園。連れ込まれてたらヤバイ。
助けを呼ぼうにも、先に口を抑えられる。
イヤだ。誰か助けて。
三上さん。
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