お土産は明太子

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彼女のアパートにはラッキーなことに?エントランスのセキュリティシステムが無かったので、部屋の前まで行くことが出来た。 チャイムを鳴らすけど、反応はない。 いないのか? 電話を何度かかけてみる。 ドアの向こうでかすかに電話のコールが聞こえた気がした。 「杏?いるの?」 ドアを手で叩きながら、ドア越しに声をかける。 内部でかすかに人の動く音がしたような気がした。 ドアの所まで来ている? 「杏?三上だけど。開けて」 ドアスコープからよく見えるように、ドアから少し距離をとる。 ドアが細く開く。 「ごめんなさい、ちょっと具合悪くなっちゃって。また今度、連絡するんで」 声がかすかに震えている? 「大丈夫なの?ちゃんと顔見たら帰るから。顔見せて」 「今、ひどい顔してるんで、無理です」 「それでもいいから。ちょっと顔見たら帰るから」
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