370人が本棚に入れています
本棚に追加
6、誰のものか分かってる?② ※
「ひ、ぅ…やだ、やぁ…っ、あ」
「…」
手首が痛い。腕も。
暗い、怖い。何かにすがりたい。
それよりも、苦しい。きつい。
嫌だ、助けて、怖い。
「嫌じゃないだろ?こんなにトロットロにして…いやらしい身体」
つつ、と体の表面を撫でられ、身震いをする。もどかしい。違う、欲しいのはその刺激じゃない。
「も、これ、はずして…っ」
手首を捩らせる。しかしほどけることはなく、むしろ暴れたことによってもっとキツくなる。
じわ、と涙が溢れてきた。けれどそれは、目を覆う布に吸い込まれてしまう。
「外すわけないだろ。これは罰なんだから」
「…は、はぁ…、やだ…ん、あぁ…」
「ここも、こんなに尖らせてさ」
ねっとりと片方の胸の尖りを舐められ、もう片方はキュ、とつままれる。その甘い痺れにぞくぞくとしたものが這い上がってきて、すり、とシェスの体に足を擦り寄せてしまう。
「…は、触ってほしいのか?」
「…っ、ん、んん…っ」
ぶんぶんと首を縦に振る。なんでもいいから、早く解放してほしい。気持ちよくしてほしい。
ぐちゃぐちゃにして、ほしい。
意識しないと、そんなとんでもないことを口走ってしまいそうになる。
「…淫乱」
息を吹き込むように、囁かれる。
ああ、確かに、今の俺は浅ましくねだる淫乱だろう。でも、好きな人に触れられて、正気を保っていられる人がどれほどいるのか。少なくとも俺はそんなもの、とっくに手放していた。
「…っ、は、あん…、シェス…っ」
「ダメ。さっきから言ってるだろ…アイルが気持ちよくなったら意味がないって」
ぴん、とはりつめた昂りを弾かれる。
そこはぱんぱんになっており、欲を吐き出しくてたまらなかった。塞き止められてるのが苦しくて苦しくて狂いそうだ。
「…ひっ、うぐ…も、や…やぁ…」
「ああ、ここもこんなにひくつかせて」
つぷ、と後孔に指を浅く入れたり出したりを繰り返す。そんな刺激じゃ足りない。自然と動く腰を、シェスが鼻で笑う。
「慣らさなくていいよな」
「え…」
ぐい、と、性急に足を持ち上げられる。
「っ、あああああああっ!!」
そして、太くて熱い杭が体を貫く。
最近はシェスと体を重ねてはいなかったが、その慣れた質量に体が歓喜の声を上げる。
「は、簡単に飲み込んだな?俺とヤってない間も、誰かをくわえこんでいたんじゃないの か?」
「あ、っああ、ん、ひぅ、あ…っ、してな、してない…っ」
「どうだか」
ぐっぐっ、と押し込まれ、息がつまる。苦しい。でも、気持ちいい。もっと、してほしい。
「…っ、あ、あっ」
「アイル」
「…ひゃ、あ、ふあっ」
「お前は、俺の玩具だろ」
「ん、んん、…っ」
シェスから紡がれる言葉は、最早理解できない。耳に入っても、音としか認識できない。
「だ、出したいっ、もう、もう…っやぁ」
「じゃあ、ねだれよ」
「…っ、あ、あぁっ、…?なに、な、なん…っ」
「……『ぐちゃぐちゃに掻き回して、中にたくさん出して?』ってさ」
熱に浮かされた俺は、その言葉を馬鹿みたいに繰り返すことしかできなかった。
「…ぐ、ぐちゃ、ぐちゃに…っ、あ、ひぁっ」
「聞こえない」
前立腺を突かれ、上手く言葉が出てこない。
「ぐちゃぐちゃに…っ、かきまわ、んぁっ、なか、なかに、たくさん、だして…っ!」
「ははっ、よくできました」
シェスはそう言うと、さらに早く出し入れを繰り返し、気持ちいいところばかり突いてきた。
頭が真っ白になる。いつの間にか昂りを締め付けていたものはなくなり、シェスが中で自らの欲望を弾けさせるのと同時に、俺もやっと解放された。
そして、意識が沈んでいった。
最初のコメントを投稿しよう!