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2_進捗ですか!?ま、まだ調査中ですが…は?分かった!?
今日も特段変わった事もなく平和に業務を終えられるのは田舎町ならではのメリットです。周りの人を認識できるので、住民は悪さをする気を起こしません。外部からの人物がくればすぐに分かるという昨今では珍しくなった形態を保っています。
そんな町で一人娘の女性の家に夜に訪れるというのは下世話な話題になりそうですけど、そこは昔から訪れているので日常の景色として扱われています。
むしろ夜に困ったら取りあえずフラワー皆城に駆け込めという回覧が回ってきたことがあります。生まれた時からこの町に住み続けているけていますが、何なんでしょうかこの町…。
そんな住民に全幅の信頼を置かれた皆城家の店舗兼住居に現在私はいます。
おっと自己紹介が遅れましたね、私は城木明です!26歳の独身男性で田舎町の交番で勤めています!!
幼馴染の皆城静音さんの部屋でお茶を飲んでリラックスしています。………表面上は!!
いや、もうやばいんですよ!!朝に言われた調査を今日していたんですが、若者のカップル事情なんて知りません!
素直に謝ればいいって思いますか?正直それしかないんですけど…。過去に調査をサボった事があったのですが、拳が飛んできました!!
女の拳がどうしたって思いますか?静音さんは子供の頃に空手の道場に通っていた事があります。そして学生時代で黒帯になっています。拳を受けた時に私は1時間意識を失いました。
…あれは女の拳ではないですね。静音さんがコップをテーブルに置く音でも背筋が伸びてしまいます。蛇に睨まれた蛙の気持ちがよく分かります!!
「じゃあ、調査結果教えて~」
運命のお時間が来たようです!!皆さん是非私が無事な事を祈って下さい!!
「あ、実は誰も思いつかなかった、ゴメン!」
「………」
半眼でこちらを睨んできてます!頭の中でアラートが鳴っています!!お巡りさ~ん、助けて~!!!……お巡りさんは私でしたね。
「まって!!弁明させて!!カップル事情なんて俺は知らないよ!」
慌てて弁明して思いついてたカップル以外の人物を挙げていきます。
「なるほどね~」
いい反応です!私の体は無傷で済みそうです!!祈ってくれた皆さんありがとうございます!!
「私が一番怪しいと思ってる人も、今の中にいるんだよね~」
「は!?もう見当ついてるの??」
「そうだね~。色々と状況考えると一組しかないと思うからまず間違いないと思う。」
静音が言うには今月付き合い始めた高校生のカップルがいるとの事。そのカップルは山中千絵と門脇徹だという。二人は違う高校に進学しているのでなんで急にと思ったら、今月に中学の同窓会があってそこで親密になったらしい。
「確かにイニシャルも合うし、今月からみたいだけど他の挙げた人にはそういう事は無いの?」
「他の人で最近付き合い始めたっていうのは聞かないね~。千絵ちゃんには夕方にあってきたんだけど、徹が作ったマフラー無くしてて落ち込んでたから間違いないと思うよ!」
そこまで調べていたらしい。いつも思うんだけど、静音が持ち込む依頼って当人だけで調査間に合ってると思うんだよな。
何で付き合ってるのを知っているのか聞いてみたら徹が相談に来ていたらしい。……この町警官より花屋に情報集まってると思うんだ。調査とか要らなかったじゃん!!
「じゃあ千絵ちゃんにマフラーを返せば大丈夫ってことか?」
「そこが悩みどころでね~。アッキーさ~、徹が普通にマフラー無くしたと思う?付き合いはじめだよ?」
確かに高校生がプレゼントもらって落としたら必死に探す気がする。俺だったらそうしてた……いや、あれは幼馴染の拳で語る教育のおかげか…。
俺の個人事情を差し引いても、初々しい付き合いたての高校生が貰ったプレゼントを蔑ろにするとは考えづらい。自分で探したり、誰かに聞いたりするものだ。一般的にその誰かにあたる警官である俺の所に相談は来てないし、静音の所にも来てないという事なので相談をしてないと考えた方がいい。
「だとすると、徹に話を聞いた方がいいって事か。」
満足そうに頷く静音。自分で結論出てたんじゃないかな。
「アッキー、明日休みだよね~?」
……どうやら静音さんは警官でない姿で来て欲しいみたいです。うん、拳でお話しする気ですね。自分に降りかかる事ではないはずなのになんで震えがくるんでしょう…。
大丈夫です静音さん、私にあなたの要望を拒否するつもりはありません!ですから、その握り込んだ右手をほどきましょう。あなたの教育は今も私の中に息づいてます。
……誰か警察官が困ったらどこに相談すればいいのか教えてください。
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