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「僕は瑠璃ちゃんに会いたくて三百年後から来た青羽智士です。今はまだ技術が発展していないけど、後少しすれば、少しのDNAサンプルからクローン人間ができるようになるんだ、それから死ぬと何度もクローンで生き返り、やがてタイムマシーンができる。だからやっと瑠璃ちゃんに会いに来れたんだよ」
嘘なのか本当なのか、私は乾杯もせずに運ばれてきたビールを一気に半分まで飲み干した。
「でも、智士はかなり前に死んだんじゃ?」
「それが、これ」
智士は私があげたマフラーを手に取った。
「僕が肌身離さず身につけていたから、DNAは十分だったんだ」
「私……待ってた」
「うん」
「会いたかった……」
「うん」
泣きながら智士に抱きついた。
私が待っていたのは、王子さまなんかじゃなくていい、キミだった――――
「んもう、係長ー、肉食女子すぎぃ」
「うるさい古川っ!」
了
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