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けれどね、お兄ちゃん。きみはたしかにぼくのはじめての友だちだった。だから。今度はぼくが質問するね。
ねえ、これはなんだかわかるかい?
あのときみたいに、暖冬の雪の降る夜だ。田舎町でたまたま見かけた、少し塗装のはがれかかったポスター。いまどきめずらしい、ベニヤ板に釘で打ちつけられたポスターのなかには、昔見慣れていた顔が映っていた。こころなしか、以前よりもやわらかな表情をしているように見えた。
ぼくは、その看板にそうっと、毛糸であんだ赤いマフラーを巻いたんだ。
空耳かな。かすかに昔懐かしい声で、ささやくのが聞こえる。
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