エンプレスガール

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アタシはもうすぐ女帝になる。

…なんて言ったら、確実に中二病だと馬鹿にされるだろう。でも、きっとアタシの存在を知っている人間がこの言葉を聞いたら、恐怖で震え上がるんじゃないかな。

アタシはネネカ。今年で16歳になる。つまりまだ15ってこと。未熟なガキんちょだって思うでしょ？でも違うんだな、これがまた。

ここは魔王が人間を奴隷として働かせる、すべてが魔王を中心にまわっている世界。世界各地に魔物がはびこり、人間の住む国や町をことごとく破壊していっているのよ。

アタシは元々人間だったんだけど、もう5年程前に魔王にその…誘拐されたのよね。可愛い娘だ～…とかって。え？魔王は変態？またまたぁ、冗談言ったらただじゃあおかないわよ。まぁ実際アタシは街を歩けば必ず誰かにスカウトされるほど可愛いんだけどね。色白で、瞳は神秘的なアメジスト色、すらりとした高い鼻に綺麗な形の唇。程よくカールした黒髪のセミロングヘアーは、アタシのとっておきの自慢よ。毎日お手入れを欠かしたことはないわ。さらに高身長でスタイル抜群。足も長い。我ながら完璧な女の子よ。

それでねぇ、どこで魔王がそんな噂を聞きつけたのかは知らないけど、ある日街に新しいお洋服を買いに行こうとして家を出た瞬間だったわ、魔王に連れ去られたのは。

そして、バンパイアの血を分けられ…今じゃあ人間に見えて、しっかりバンパイアの触角も尻尾も生えてるわ。羽はこれまた煌びやかで華やかな、透明に近い銀色。余計に自分が美しくなったって感じね。

うふふ、当時魔王と出会った時はこう感じたものよ、運命の出逢いだ！ってね。