37人が本棚に入れています
本棚に追加
3
いよいよ結婚式3日前になったわ。うぅ~っ、あまりの幸せに今なら魔王城の天井を突き破ってジャーンプしてそのまま空を飛べるわよ!
アタシはルンルン鼻歌を歌いながら、魔王城の中を散歩し出した。魔王城はとてつもなく広い…いくら散歩しても飽きないってもんよ。
アタシがスキップしながら魔王城の中を探索していると…なにやら城内が騒がしい。
なにがあったんだろ?
「ねぇねぇ、そこのあんた。なんで城の中、こんなにザワザワしてる訳?」
「ええと、あの……」
アタシがそう尋ねたのは、魔王の召使いであるゴブリン。魔王によって性能を強化された機械的なゴブリンで、コイツのマシンガンの威力は凄まじいらしいわ。
ザコ敵に見えても、バカにできないのよね。見た目だけで決めつけるのは良くない事だーって、実感しちゃうわよ。
「あの……人間が、城に攻めてきたらしいのです。魔物部隊が抹殺にあたっているとのことですが…その人間共、かなり手強いらしく苦戦している模様で…」
「はぁぁー?なんですってっ?」
アタシは怒りが身体の底から湧いてくるのを身に染みて感じた。魔王と結婚が出来る3日前にもなって、こんな不幸な出来事が起こるとは。とても許せないわね…っ!!
「もう……しかも手強いって、魔物部隊が人間ごときにやられるなんて!その部隊、ザコだったの!?」
「いえ、単純に人間が強い訳で…」
「もういいっ、ちょっと様子見に行ってくるから!どうせ正面玄関辺りにいるんでしょ!?」
アタシが正面玄関への道を走り出すと、ゴブリンは慌ててアタシを止めようとした。
だが甘い!アタシはバンパイアとなった者、羽を操って空を飛べるのよ。ゴブリンは空を飛べないから、追いかけられても無敵よ!
アタシはかなり急いで正面玄関へと向かった。そこでは魔物部隊と人間ふたりが、大激闘を繰り広げていた。
最初のコメントを投稿しよう!