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7
アタシと魔王は、魔王城の真ん中辺りにある中庭にやってきた。暗い闇の雰囲気に包まれた城内とは少し違う、太陽の光が降り注ぎ緑に溢れた自然の憩いの場だ。
「……ネネカ」
「えと、なんですかっ?」
魔王相手には、アタシは敬語を使うようにしている。なんせ魔王様だからね。
「その……敬語とやら。もう、使うのは止していいぞ」
「えっ?」
「それと、俺の呼び方。様などつけなくてよい。ありのままの姿で接してくれ、ネネカ」
魔王だとは思えないほどに、目を細め優しい声で話しかけてくれる…あぁっ、やっぱりアタシは魔王が好きよ!
「……うん。わかったわ、魔王」
「ふん…お前が取り繕っていることなど、この俺にはお見通しだからな」
ちょっと照れ気味にそう言う魔王が可愛くて、アタシは声を上げて笑った。
こうして、アタシと魔王はより仲良くなることが出来たの。まあ、父さんと母さんが魔王城に攻めてきたおかげかもだけど…。
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