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アタシと魔王は、魔王城の真ん中辺りにある中庭にやってきた。暗い闇の雰囲気に包まれた城内とは少し違う、太陽の光が降り注ぎ緑に溢れた自然の憩いの場だ。 「……ネネカ」 「えと、なんですかっ?」 魔王相手には、アタシは敬語を使うようにしている。なんせ魔王様だからね。 「その……敬語とやら。もう、使うのは()していいぞ」 「えっ?」 「それと、俺の呼び方。様などつけなくてよい。ありのままの姿で接してくれ、ネネカ」 魔王だとは思えないほどに、目を細め優しい声で話しかけてくれる…あぁっ、やっぱりアタシは魔王が好きよ! 「……うん。わかったわ、魔王」 「ふん…お前が取り繕っていることなど、この俺にはお見通しだからな」 ちょっと照れ気味にそう言う魔王が可愛くて、アタシは声を上げて笑った。 こうして、アタシと魔王はより仲良くなることが出来たの。まあ、父さんと母さんが魔王城に攻めてきたおかげかもだけど…。
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