蟻と砂漠

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淘汰され踏み潰されていく 者共たちで出来た一画 浮かばれず奪い取られなぎ倒されて死を迎える者共たちの垣根 体より大きな生き物の指先で丸められた者の遺棄された墓場 体から手足を一本一本取り去られ 遺された胴体も縊れ〈くびれ〉を切れ目に切断されて風に飛んだ後に残った目 砂糖片を持った右手右脚を奪われ歩き進むと 歪な円しか描いていない者の軌跡 何とも知れぬ者の 涸れ果てた涙の跡には石場が切りたち 風が沢山吹き付け そのあとに張り出した石場は削り取られて永い時間を経て砂が吹き溜まり積り積もった 沢山 砂は風の吹くに任せ 姿を変えて山や谷を作りまた平坦になり波模様をつくったりした 或る夜に其処の一辺から上を見遣ると あまりに月が近すぎて手を延べてみると 空からごろんと溢れ落ちてきそうであったりするのに
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